神戸ビーフの脂肪の質を評価する共励会を初開催 MUFA値を審査に盛り込む

 「神戸ビーフ」の脂質を評価する初めての試みとなる「第1回神戸ビーフ『脂肪の質』共励会」が14日、神戸市中央卸売市場西部市場で開催された。
 この共励会では、ロース切開面筋間脂肪のMUFA(モノ不飽和脂肪酸)の値において、兵庫県が集計した令和4年度去勢出荷牛の枝肉格付成績の平均値である63.6%以上で、おおむねBMS No.10以上を審査基準とし、従来のBMSナンバーを中心とした審査ではなく、BMSと脂肪の質の両方を加味した審査が行われた。
 神戸ビーフ・但馬牛は、上場時にMUFAの値を測定するなど、脂肪の質にかねてから着目している。種雄牛を県有但馬牛に限り、枝肉重量制限を行うなど、独自の認定基準を設け「但馬牛らしさ」の維持・向上にこだわってきた。これまでも脂肪の質は審査に盛り込まれていたが、主として審査に取り組むのが今回の共励会。
 出品されたのは雌28頭、去勢11頭の計39頭。このうち最優秀賞には、上田伸也さん(写真)出品牛を選出。同牛は自家産の48カ月齢の雌牛で、枝肉重量422kg。BMS No.11、MUFA70.5%。ロース芯面積75平方cm、バラの厚さ6.1cm、皮下脂肪の厚さ2.5cm、歩留まり基準値75.6。MUFA70.5%は、全頭の中で最高値で、唯一の70%台。また月齢48カ月齢は未経産牛としては異例の長さ。血統は父「丸明波」、母の父「芳悠土井」、母の祖父「菊俊土井」。キロあたり8,030円で、グループの牛匠上田が落札した。
 上田さんは「『丸明波』の産子は、ゆっくり育つのが特徴。時間をかけて育てることで、軟らかい肉質に育つ。最優秀牛も、触ると軟らかい感触で、体型も良く、毛並みもきれいだったので、仕上がりに期待できた。(枝肉は)MUFAの数値も高かったし、思うように育っていたので、間違っていなかったと思う」また今回、初めてとなる脂肪の質を審査する共励会については「但馬牛はとくにBMSでは測れない牛だと思う。神戸市場ではかねてから脂肪の質を評価する褒賞は用意されているが『特別賞』といったものなので、最優秀賞に関わる評価となっている新たな試みに共感できる。今後もそういった審査の販売会が増えることを期待したい」と強調した。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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